キリシャ危機

最近ニュースとなっているギリシャ危機とは何か。

現在騒動となってはいるが、2009年にも同様のギリシャ危機というものが言われていた。2009年のギリシャ危機と2015年のギリシャ危機のそれぞれの経過をみていく。

そもそも、現在EU内では「ユーロ」という統一貨幣が使われている。EUとは、欧州内における、経済的統合と安全保障体制のことである。今ではヨーロッパの国の多くがこれに参加して、ユーロを使用している国がほとんどである。ギリシャもこのEUに参加し、通貨をユーロとしている。

09年のギリシャ危機はギリシャが01年にユーロ加盟した時にさかのぼる。当時このユーロを導入するには条件が必要だった。ギリシャはこの条件を満たしていないにも関わらず、財政状況を偽りユーロに参加した。そして、09年に政権交代が起こった際に新政権がこの偽りを暴露した。そこで、投資家は偽って加盟できるユーロの価値は高くないのではないかと疑念を抱き、その不安からユーロの価値が下がった。そして、同時にギリシャ国債の価値も下がってしまった。国の国債は国内の銀行が多く保有しているので、国債の価値が下がると銀行が潰れるのではないかと騒ぎになる。そして、国民が現金を銀行から引き出そうと取り付け騒ぎが起きた。ギリシャから端を発し、ユーロの価値の下落、取り付け騒ぎが起きたこれが09年に話題となったギリシャ危機である。

 次に、15年のギリシャ危機はどういう経過をたどっているのか。09年のギリシャ危機が起きた際、EU各国はユーロの価値が下がるのを防ぐために支援を行う措置を取った。しかし、その条件として今までの生活を変えるよう緊縮財政にと指導が入った。これを受け入れ融資が受けられたので、この混乱は沈静化されたが、ギリシャ国内では失業率が高まり四人に一人が失業者という状況になった。この状況に反発したギリシャ国民は、15年1月の総選挙でこの緊縮財政に反発している政党に票を集める。結果、新政権が政権を握り支援条件の緩和や債務軽減を交渉する。2月に四か月の支援延長が決定したが、その期限も迫りギリシャ危機が再燃してしまった。

7月5日にEUが求める財政再建策の是非を問う国民投票が実施されている。結果次第ではユーロ離脱にもなるので、この結果を注視しこれからのEUの経済状況を見守る必要がある。